保安だより
経済産業省HPにて、2023年度事故集計(速報)が掲載されました。 原因者別事故件数を見ると、「その他の事業者起因」「一般消費者起因」の事故が大きな割合を占めています。 その中でも、2019年以降発生していなかったCO中毒事故が5件発生し、合計で7名の負傷者が出ています。 夏場は空調の使用により、特にCO中毒事故発生のリスクが高まる時期です。今回は、改めてCO中毒事故の注意するポイントを解説します。
2024年7月1日
COは無色・無味・無臭の気体です。
CO中毒は、不完全燃焼による発生したCOを含む空気を呼吸した場合に起こる中毒です。
酸素より200倍以上血液と結びつきやすいため、酸素が体に回らなくなることで中毒症状を引き起こします。
一般的な家庭用CO警報器は、50ppm超・250ppm以下で一段目警報を発出します。
業務用CO警報器では、血中COヘモグロビン濃度を推定し、20%の状態が10分続いた場合、または、2000ppmを2回検出した場合に警報を発出します。これは中毒症状が現れる濃度であり、業務用CO警報器が鳴動した場合は速やかに燃焼器の使用停止とガス会社への連絡を行っていただくよう周知しましょう。
2023年(令和5年)度に発生したCO中毒事故の原因は「換気不足」によるものです。
完全燃焼には「新鮮な空気(酸素)」が必要となりますので、ガス燃焼器を使用する時には十分な換気を行う事を周知徹底しましょう。
※なお、都市ガスでは病院の厨房にて食器洗浄機の故障による不完全燃焼が発生し、軽症9名の被害が発生しています。
相次ぐ厨房施設でのCO中毒事故を受け、経済産業省より注意喚起が発出されました。
周知文章や経済産業省で掲載している注意喚起文章を活用し、使用者に確実な周知を実施しましょう。
参考:経済産業省ホームページ
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/lpgas/kouhou/index.html