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発売から32年 ガス衣類乾燥機「乾太くん」はどう変わった!?

1992年の新発売から30年以上が経ったガス衣類乾燥機「乾太くん」。今回は、1999年・春号の『ネットワーク』に掲載した『実践プロフェッショナル講座 ガス衣類乾燥機』を題材に、リンナイ株式会社 関東支社 広域営業室 LPルート推進グループ チームリーダーの長田亮治さんに、発売当時から現在までの変遷と今後について話を聞きました。

▼1999年掲載の記事はこちら▼

━━1992年に発売を開始したリンナイのガス衣類乾燥機「乾太くん」、現在は何代目?

1992年の発売から数えると、現在の製品は5代目になります。2000年に5kgタイプを発売、2013年にデラックスタイプが登場、2018年に8kgタイプが追加され、そして2023年発売の現行モデルは6kg・9kgタイプのデラックスタイプとなります。容量を大きくしたり、高機能化を図ったりと、お客様のニーズに合わせて進化を重ねてきました。
実は、1992年より前、1976年に「ガスドライヤー」として乾燥容量3kgの衣類乾燥機を発売したことがあったんです。海外では乾燥機が一般的だったのでそこに目をつけたのですが、当時の日本は外干し文化がまだ根強かったのであまり売れず、間もなくして製造、販売をやめてしまったのですが…。

――初代から最新のデラックスタイプまでで、大きく変化・進化した点は?

大容量化しているのは、洗濯機の容量が大きくなっていることに伴ってです。
外観も大きく変わり、従来の物と比べてスタイリッシュになりました。利便性の面では、糸くずフィルターの位置を庫内の奥から手前に変更し、お手入れのしやすさが向上しています。最新モデルでは庫内にLEDライトが内蔵され、ドラム内の視認性が大幅に改善されました。小さなハンカチや靴下も取り忘れがなくなりますね(笑)。
今どきならではの機能では、スマートフォン(リンナイアプリ)と連携し、残り時間や運転終了をお知らせできる機能もあります。
ちなみに、プラズマクラスター®による「除菌・消臭コース」が2013年から搭載されていますが、ガス機器でプラズマクラスター®の技術を採用できるのは、リンナイの製品だけなんですよ。

前扉の糸くずフィルター
庫内のLEDライト
スマホ連動機能
プラズマクラスターイオンで清潔乾燥

――乾燥時間や仕上がりの良さは、この先も“電気”より“ガス”が優位?

何といっても、ガス式は熱量が大きいため、電気式に比べて乾燥時間が約1/3と圧倒的に短いのが特長でありメリット。最新の電気式ドラム洗濯機でもガス式の乾燥性能には及ばないのが現状です。最新のモデルには静音モードや省エネモードが追加されたので、時短だけでなく、経済性の面での優位性も見逃せません。
「買って、使ってみて、本当に良かった」「一度使ったら手放せない」と、ユーザー満足度99.4%の高評価を得ている製品です。今後も、乾燥時間、そして仕上がりの良さにおいても、電気式がガス式を追い抜くことは難しいでしょう。

――累計販売台数や普及率の推移は?

2023年7月時点で累計100万台を突破しました。1992年から2015年までの24年間での累計が約50万台だったので、ここ8年間で倍増したことになります。
普及率が最も高いのは沖縄県です。潮風やスコールの影響で外干しがしにくいこと、共働き世帯が多いことなどが、高普及率の要因と考えられます。
一方で、北海道や東北は、まず室内が暖かく空気も乾燥しがちということで、室内干しのお悩みがあまりない地域。また、排湿口から冷気が入るという懸念点もありました。現在は、寒冷地仕様のダンパーを追加したこと、そして、乾太くんの注目度が高くなったことで、徐々に伸びてきています。

――「家事の効率化」「天候に左右されない」「衛生乾燥」など、1992年前当時とPR内容は意外と変わらない⁉ ここ数年で一気に販売台数が伸びたワケは?

この10年ほどで女性の社会進出が加速し、共働き世帯が増えたことなどの社会的背景が大きいでしょう。家事の時短ニーズが高まり、そこで「乾太くん」の”ラク家事”を実現する利便性が注目されるようになりました。2015年頃から本格的に普及活動に取り組み始め、テレビCMやキャンペーンを積極的に展開。さらに、SNSの急速な普及で、ユーザーの口コミが広がったことも大きな要因だと考えています。

――「乾太くん」が目指す今後の進化・展開は?

家電もかつては白が主流でしたが、多彩なカラーバリエーションが登場しています。「乾太」くん、その他の製品についても、インテリアに合わせやすいデザインのバリエーション展開などを検討しています。
あとは、排出経路の改良も課題です。今は排湿筒設置のために壁に穴を開けないといけません。設置の容易さを向上させることで、さらに多くのユーザーに利用してもらえるような製品開発を目指しています。

――今後のさらなる普及拡大において、LPガス業界・ガス事業者に期待したいことはありますか?

認知度が高まっている今、電化住宅や過去のガスユーザーへのアプローチを強化していただきたいですね。賃貸物件のオーナー様にも、入居者ニーズの高まりを訴求し、設置物件を増やしていただければと思います。
「乾太くん」の普及率が全国No.1の沖縄は、もともと暖かい気候で、ガスの単位消費量を伸ばしにくい地域です。だからこそ、「試しに1回使ってみて」という貸出しキャンペーンや、工務店への営業に力を入れるなど、地域全体で積極的な取り組みを進められていました。おかげで、新築の集合住宅では約3割に設置されるまでになっています。
ガス衣類乾燥機が1台あるだけで、ガスの新規獲得やスイッチバックにつながるはずです。

リンナイ株式会社
https://www.rinnai.co.jp/