2024年3月15日
株式会社オリワン
エネルギー事業部 ホームライフ部門 三沢支店
吉田 綾
(Ryo Yoshida)
エネルギー事業部 ホームライフ部門 統括部長
二又 正幸
(Masayuki Futamata)
伊藤忠エネクスの特約店であるオリワンでは、過去から伊藤忠エネクス社員とともに営業の実地研修を行うフィールド研修に取り組んできた。新型コロナウイルス感染症が一旦収束となった2023年の夏、オリワンのエネルギー事業部 ホームライフ部門の二又正幸統括部長がかねてから伊藤忠エネクスホームライフ東北(以下、HL東北)に打診していたフィールド研修がようやく実現した。
今回(7月度・8月度で計4回)は、2泊3日の日程でオリワンの社員1名とHL東北の社員1名がバディを組み、HL東北のお客様宅の法定点検に同行する形でを行った。経年機器があるお客様先を洗い出したうえで、法定点検のアポイントを取得済のお客様が対象。点検を行いながらお客様の困りごとやニーズを聞き取り、点検後に経年機器やサービスの提案営業を行う想定のもと、1日に3軒程を訪問するプランだ。
二又統括部長は、かつて自身の若手時代に伊藤忠エネクスが運営していた中央研修所での研修やフィールド研修を通じて、エネクスグループの社員たちと共に切磋琢磨したという経験がある。「自社でも勉強会を行っていますが、自社だけだとどうしても内容などのバリエーションが不足しがちで、マンネリ化してきてしまうんです。フィールド研修で他の地域・他社のいろいろな商材や営業の仕方などを学び、ふだん接することができない情報やノウハウを学ぶことのメリットは非常に大きいです」と言う。
今回は、両社から4名ずつが選出され、4組で実施した。そのうちの1人、オリワンのエネルギー事業部 ホームライフ部門 三沢支店の若手社員・吉田綾さんは、ふだんの業務ではほとんど営業の経験はなかったが、それだけに新鮮で気づきが多く、価値がある経験ができたと振り返る。
「印象的だったのが、いすに座っているお客様に対しては、HL東北の社員も座ったり中腰になったりしてお客様に目線を合わせて会話をしていたこと。それと、業務的な専門用語を使わず、誰でもわかりやすい言葉に言い換えて丁寧にゆっくり話していたことです。目を見てわかりやすいように話すことで、お客様にとっても『親身になって聞いてくれている』という印象を与えられるのだなと感じました。今後、お客様のもとを訪ねて営業する機会には、ぜひ実践しようと思っています」。
青森県内に多数の支店を持ち、事業部も多岐にわたり多数の社員を抱えるオリワンだが、それでもマンネリ化を打破するために新しい風を取り込むための努力は必要だと考えているという。特に、若手社員のスキルアップを図ることを重要とみている。
フィールド研修を希望していた理由について、「地域性があり、自分のテリトリーの中での営業だけをやっていると伸びしろが少なくなってしまいます。だから、広い視野を持って営業力を高める必要があると感じていました」と二又統括部長。
オリワンではフィールド研修に参加した社員は、レポートを書いて提出する。その内容を他の社員にも開示することで、新しい視点を共有したり刺激を受けたりすることができるからだ。違う土地であれば、お客様の気質や言葉遣いも違い、気候も違うから扱う商材も違ってくる。そういった違いを理解し、お客様ごとに合わせた対応を心がけることが営業の成果を挙げるために必要なこと。様々なことを吸収することにより、経験を積み今後の業務に活かそうというのが、そもそもの大きな目的である。
フィールド研修に参加後、仕事に対する積極性が上がる人もいれば、お客様への接し方に変化が現れる社員もいるという。また、すぐに目に見える形で効果や影響が現れる社員もいれば、内面の変化で長期的に好影響が出る社員も。同じ研修を受けたとしても、人により吸収の仕方や受け取り方の違いが現れるのは当然で、それがまた、社員間で相互的に良い作用を生んでいくのだ。
お客様の要望をうまくくみ取り、より良い提案ができるようになれば、最終的にお客様の利益に結びつく。二又統括部長は「若手社員がこれから5年、10年と中堅になって実績を積んでいく中で、このフィールド研修が一つのステップとなって、会社全体の経験値として積み上がっていけば」と期待を込める。
フィールド研修のメリットは、営業面のスキルアップだけではない。今、オリワンではデジタルツールの導入を進めていくべく準備をしているところだという。伊藤忠エネクスグループでは既に営業社員の一人ひとりにスマホを支給し、ウェブ上でリアルタイムで行動管理を行える仕組みを導入済で、吉田さんはフィールド研修時にHL東北の社員が持っている実際のスマホ画面を見せてもらい、オフィス内での業務効率化についても話を聞いたそう。
企業ごとに人員体制や組織体制は異なるが、変化や競争の激しい中でそれぞれがやるべきことをやっていかなければならないのが、現在のガス業界。二又統括部長は今後について「どんどん変化が求められる時代だからこそ、乗り遅れないように新しい技術や仕組みを取り入れながら業務改革などをやっていく。その中で、今まで同様に伊藤忠エネクスさんに協力いただくこともあるでしょう。自社の従来のやり方にとらわれず、他社のノウハウを吸収する機会は重要だと考えています」と語る。
長きにわたり地元密着型で青森・南部地方のくらしを支えてきたオリワン。将来を見据えた新たな取組みへの挑戦は今後も続く。
株式会社オリワン
所在地/青森県三沢市東岡三沢3丁目41-85