2022年7月15日
【相談】
先日、「約束手形が廃止になる」というニュースを見ました。
私の会社でも支払いに約束手形を使っているのですが、なぜ廃止になるのですか?
また、廃止になった場合の決済手段は現金振込以外にありますか?
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【解説】
約束手形とは、代金を支払う人が、受け取る人に対して、一定の期日に代金を支払うことを約束する紙面のことです。
約束手形を用いると、一時的に手元に現金がない場合でも、原材料の買い入れや業務委託先への支払いが出来ます。
一見便利な約束手形ですが、いくつか問題点があります。
まず、約束手形の受取人は、期日まで待たなければ現金を受け取れない点です。
これにより、他社への支払いに必要な資金が不足した受取人が倒産してしまう、いわゆる”黒字倒産”が起こる可能性があります。
期日より前に現金化することもできますが、その場合には額面より少ない金額しか受け取れず、受取人が損をしてしまいます。
また紙であるため、郵送費や印紙代などのコストがかかるほか、紛失・盗難のリスクもあります。
このように、約束手形は受取人の負担が大きい決済手段といえます。
これらの問題を受けて、経済産業省は2026年をめどに約束手形を廃止し、現金振込に移行することを提言しました。
資金繰り等の関係で、直ちに現金振込に移行できない企業に対しては、約束手形の代わりに電子記録債権、通称「でんさい」の利用を求めています。
でんさいは、インターネット上で債権をやり取りするため、郵送代や印紙代がかからず、手形のような紛失・盗難のリスクもありません。
ただ、でんさいをやり取りするには、お互いが利用登録している必要があるため、取引先を巻き込んだ取り組みが必要になってきます。
現在キャッシュバックのキャンペーンも行われているため、この機会に登録を検討してみてはいかがでしょうか。