2022年2月21日
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ウクライナは連日の報道通りかなり緊迫化しています。
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これを執筆している最中にも情勢が変化し、ロシアによる侵攻が具現化しているかもしれません。
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現在は今月24日の米ロ外相会談までは侵攻しないとの約束あるも、盟友中国の冬季オリンピックも無事終演を迎える中、その約束も守られないとの憶測も飛び交う。
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これが”買い材料”の大きな地政学リスクの一つ。
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ただマーケット目線ではかなり相場に織り込みされているので侵攻が具現化した場合も急騰まではしないと予測。
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もう一つの”売り材料”の大きな地政学リスクは「イラン核協議」。数か月前には協議が平行線で再開は困難の状況に陥っていたが、ここに来て「イラン核合意」協議の立て直しが浮上。
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この進展により制裁解除によるイラン産原油の輸出再開ついてはマーケットには下げ要因となるネガティブな情報。
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今回再開が見込まれるイラン産原油の輸出量は日量100万バレルであり、これは現在のOPECプラス政策の毎月の段階的増産量40万バレルの2.5か月分にあたる。
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今原油マーケットはこの2つの大きな売買材料により変動振れ幅が大きく、かなりボラティリティが高い状況。
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両材料ともに強弱均衡しており、言い換えれば両材料ともに反対の状況となれば、上げ下げ方向感が明確になりやすいとも言える。
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つまりウクライナ情勢が緩和すれば、イラン核協議進展に引っ張られ、供給増より次第に下落相場へと転じやすい。
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逆にこの浮上したイラン核協議が破綻の結果を迎えれば、相場は安心して100㌦水準へ買い相場に転じよう。
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現在はその膠着状態を反映したのが90㌦水準とみている。
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急騰・急落シナリオを考察すれば、急騰にはやはりロシアによる具体的なウクライナへの侵攻を機に発せられる欧米制裁による「ロシア産原油の輸出規制・停止」による供給危機が懸念でなく具体的に発生すること。
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またその影響度合いにより追加上昇幅は定まっていくと考えられる。
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一方急落にはこのイラン核協議合意による具体的なイラン産原油の市場復帰に加え、ウクライナ情勢緩和からロシア軍の順次撤退や外交的解決に向けた協議進展、季節要因での需給緩和が重なるケースと想定する。
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ただどちらの方向性も±10㌦前後の振れ幅と推測する。
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下値についてはこれまで通り、OPEC+による協調減産という需給に併せた供給管理機能が維持される限り、ボトムは75㌦~85㌦のレンジで価格は収まるというロジックを維持しておく。
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他方、LPG国際マーケットを見ると、原油高が牽引し、引き続きCP先物は堅調。
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現在3月CP先物値はプロパン・ブタンともに3月:790㌦、4月:760㌦、5月:730㌦と、需要期離れの例年の下落格差は見られるものの底堅い。
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石油化学品(石化)向けの原材料として、常に比較されるナフサとLPGだが、現在ナフサ高(850㌦/mt)である為、それでも割安であるLPGに需要が集まっている。
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家庭向けではピークOUTの時期だが、PDH等石化向け需要が引き継いで高値を維持している格好。
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また米国プロパン在庫低くMB価格が続伸の背景もありCP堅調さはしばらく継続する見通しだが、原油相場の急変には連動する地合いであり、上下共に振れ幅大きく注意は必要である。