2021年10月18日
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気象庁は先日「エルニーニョ監視速報」にて今秋から冬にかけ“ラニーニャ現象”が発生する可能性が高い事を発表しました。
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ラニーニャ現象時の気温の特徴は平年より気温 が低くなり「厳冬」の恐れがあることです。
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足元ではコロナ禍からの原油需要の回復やOPEC+の協調減産による供給管理、米ハリケーン影響による原油生産の壊滅的被害、石炭や天然ガスの高騰影響で、欧州・中国による暖房用や発電用エネルギーで原油への代替需要の発生に加え、この厳冬予想により冬季の供給不足やエネルギー流通網の混乱を懸念する流れから一本調子で原油は上昇し、WTI原油で80㌦近辺の値位置となっている。
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LPGマーケットでは厳冬影響も加わればCPは高値安定~一段高を試す展開も想定する。
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エネルギー価格高騰によるインフレ懸念により米政府からOPEC+への追加増産要請に対しては反応なく、段階的な協調減産幅縮小(=段階的増産)政策を維持。
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寧ろ今後ブラジル深海油田や米シェールの生産回復、またイラン核協議の進展あれば大量のイラン産原油が市場投入されることからOPEC+は22年度には需給緩和懸念を抱いており増産には慎重姿勢。
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一方では脱炭素時代においての化石燃料への投資不足、足元すぐに再生可能エネルギーへ置き換わることがない状況から将来の供給不足懸念が台頭し、原油100㌦論があちらこちらで騒がれ始めた。
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10/13のロシア/プーチン大統領声明で「原油100㌦到達はあり得る」との見通しを示し、巨大産油国のロシア大統領のこの言及にマーケットは敏感に反応している。
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ラニーニャ予測も手伝い、年末にかけて90~100㌦展開となる上昇トレンド継続。
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新たなコロナウィルス発生によるロックダウン等の影響がない限り、このトレンドは崩れにくいが、そんなことは世界中誰も望むことなく、エネルギー価格高騰長期化の可能性に対して一般消費者にとっても「厳しい冬」の幕開けとなりそうである。